川魚の王様〈女王でしょうか)と言えば、私は鮎を思い浮かべます。親父が夏になると土日にいつもと言っていいほど釣りに行っていたので、よく食べていました。


 最近はスーパーで鮎を買うことが時々あります。年中取り扱っているのでしょうが、大体6月から秋口の9月ぐらいまでがよく店頭に並んでいると思います。


これは鮎漁の解禁日に合わせてあるので、鮎の旬に合わせて販売してあるのでしょうね。もちろん、シーズン以外の鮎は冷凍ものですが、技術の向上によってその違いは私にはまったくわかりません。

大体が金色のトレーに1匹が2匹入っていて、1匹あたり250円から300円といった価格帯でよく売られています。

魚としては”ちょっと”お高い部類に入ると思います。

なんせ、家族4人であれば、1000円を超えることになりますから、アジやいか、さんまが100円前後の特売で売られているのと比べると割高です。

魚が好きな私は、子供の頃の記憶もあり、鮎が食べたいと思うんですが、つい最近までは、子供の頃に親父が持って帰ってくる魚、ただで食べられる魚というイメージが非常に強かったので、お金を払うことに違和感があって、買うことがなかったんです。

上手に塩焼きにしたいと思って、100円ショップで金串を買って、串刺しにするように焼いています。塩をしっかり振るのが大切で、塩が少ないと生臭みが出たり、味にメリハリが無いように感じます。

背びれや尾びれなどのヒレには多めの塩をまとわせることで、焦げることがないですよ。

特に川魚は食べ残すところが少なく、ヒレと骨以外ははらわたまでしっかり食べるので焦げて身になったところがあると、炭の苦みが出てしてしまって、繊細な身のうまみが無くなると非常に残念。


 川魚は他にも山女魚や岩魚やニジマスなどが同じような形をしていますが、味は微妙に違います。

ニジマスは脂が強いのか、少し大味な気がしますし、虫を食べる山女魚はなんというか、少し臭みがありますよね。

むしろ、苔を食べる鮎が変わった味わいで、これは例えようのない香りと、上品でふっくらとした身が美味しいですね。

30cmを超えるような大きなものは見ることはほとんどありませんでしたが、大きくなると身の太さはもちろん、肩口の膨らみが大きくなっていかつい感じでしょうか。

子供の頃は親父がアユ釣りをしている近くでハヤを釣っていて、すごく楽しかったですね。

石をひっくり返すと、トンボや蛾の幼虫、カゲロウなんてよくいましたが、釣りの前に沢山捕まえて餌籠に入れてから、釣りの開始です。

5mぐらいの竿に餌を付けて流すんですが、この川の流れと音でもう興奮して、釣れた時の目印が道糸についているんですが、一生懸命集中して、ビクンビクンと引いたときのあの武者震いは私の数少ない興奮の瞬間です。

こういう子供の時にの楽しみは大人になっても忘れられず、今でも行きたいと思うんですが、南関東では中々そういう機会に恵まれず、時々海釣りに行く程度ですが、やっぱり自然の釣りをしたり、自転車こいだり、山に登ったり、家庭菜園したりっていうのが私には性に合います。

どうも、都会的なトラクションやショッピング、イベント会場なんてのも楽しいんですが、興奮したり、没頭したりってことはないですよね。


 実家であれば、車で30分も走れば大きな1級河川の河原に出て、すぐに竿を伸ばせるんで、やっぱり田舎者の私は、自然多い環境が落ち着くんですね。


 自分で釣った魚を食べるなんて、最高の経験で、釣り堀とは違う、自然との対峙がしたいな、最近はそういう機会がなくてときめきが無くなったなと思いますね。