あっという間に30度以上の真夏日が過ぎ去って、晴れ間が恋しい秋真っ盛り。


店頭にはブドウや梨、桃などの秋の味覚が色とりどりに並んでいます。栗も出てくるでしょうし、柿、ミカンもでてくるでしょう。スーパーの裏口から業者さんが品物の搬入をするところをちらっとみますが、お店の担当者はいつもより大忙しかもしれませんが、ディスプレイは楽しみなのかな?と思います。


あれだけ様々な形で色とりどりの果物があると、どう見せたらおきゃくさんの購買意欲をそそるのかなんて考えるんだろうなと想像してしまいます。お店側の売りたい商品もあるでしょうし、在庫を減らして、翌日が定休日だったらこれを売り切るぞ!なんてね。

最近は桃型の果物が沢山売られてるのに気づきました。

桃はその王道で白桃や白鳳から秋口には黄桃が出てきます。

スモモも一定の場所を確保してます。桃を一回り小ぶりにした大きさで表面がつるっとした、極端言えば巨峰の色合いと肌感。一昔前は固めで酸っぱいスモモそのもののイメージでしたが、最近はジューシーで甘みがある、果肉の味と触感に品種改良がされている感じです。

他にはネクタリン。私はこれが結構好きです。
スペインの旅行中にどこでも売っていて、のどの渇きを潤すためによく食べましたが、歩き食べに適したスモモぐらいの大きさ。皮はスモモよりも少し集めかなという程度ですが、かぶりついてもスッとかみ切れる固さで、果汁が飛び散ったりしにくいんです。

表面はつるつるでスモモほど水水しい表皮ではないので、食べ歩きしても手がべとべとすることがないです。果肉は水分が少なめで、黄桃やイチジクのような少しねっとりしたぐらいの質感なので、かぶりついても果汁が飛び散ったりしないし、うまくかみ切れるんです。

桃は種からの身離れが悪いんですが、ネクタリンはずると種と身が離れるので、物の数分で食べ終わっても手が汚れず、種がきれいに残るので便利。まあ、日本で食べ歩いてる人は見かけませんが、そんな昔の旅を思い出すのがネクタリンです。


 その形で思い出したのが、梅です。おしり型果物で最も小さな部類に入るでしょうか、でも香りは桃の仲間で、何とも言えない豊潤であまい魅惑の果物です。

桃源郷なんて言葉ができるのもわかる気がします。天国のように幸せで過ごしやすく、最初はあの桃の甘い香りにつられて迷い込むんでしょうか?

地域の直売所に黄色く完熟の梅を見たのがきっかけで、これだけで美味しそう、でも梅ジュースにしてはいかがとレシピがおいてあったので、重い腰を上げてやってみました。

漬物瓶と角砂糖と梅だけで作り方は簡単そのもの。作り方は割愛しますが、水を加えることもなく、梅と角砂糖
だけで、2週間程度たつと梅ジュースが出来上がります。

こういう角砂糖とかぬかとかで漬け込む、発酵させるなんてまさか自分がやるとは思いませんでしたが、歳をとると既製品、加工品では何か寂しい、美味しくない気がして、自分で食べ物を作ってみたくなるもんなんですね。


 あとで調べると、発酵はしておらず、梅のエキスが角砂糖に溶け出しているだけでした。理科で習った浸透圧現象だと思います。濃度が高い角砂糖へ水分が多い梅からエキスが溶け出しているんですが、糖度が非常に高いため、腐ったり、発酵することなくエキスが抽出できるってことなんでしょう。

梅は字のごとく梅雨に身がなるので、2週間弱たって梅ジュースができるてしばらくすると、初夏になって、炭酸で割った梅ソーダが美味しいんです。

角砂糖は指定通りで甘みが強いんですが、よっぽど世間の炭酸飲料のほうが砂糖は多いと思います。味も自然の抽出物なので複雑です。甘みや酸味、ちょっとした苦みもあれば、香りがヤッパリ最高です。

梅はよくサイダー味で炭酸ジュースが売られていますが、全く違う別物ですね。あの鼻に抜ける梅の香りが忘れられません。

飲み終わった後も口に嫌な雑味やまどろっこしい甘みが残らないのはやはり自然に作ったものはいいですね。

これがその年の作物の出来によって、今年は甘みが強い、香りが強いなんて言いながら毎年の恒例行事にするのは楽しいでしょうね。

年配の方がお漬物を作ったり、旬の食材を使うのはそういう意味もあるんでしょうね。


 やってみると思いました。少し割高とか、出来合いのもののほうが安くて簡単と思ってましたが、絶対に来年もやりたいでと。ちなみに、作ったジュースがなくなって、すぐに同じ直売所に行きましたが、もうないんです、完全に梅雨明けしてますし、定番の野菜以外はやはり旬にしか食材は店頭に並びません。

名残惜しく、暑い夏が続いたので、市販の梅ジュースを買いましたが、ヤッパリ一味も二味も違います。味も薄ければ、香りが断然薄いんです。

プロが作った厳選素材であっても、作り置きした保存品では、あの味はもう出せないんだなと思いました。だから自分で作ります、また来年も。


 旬の食材を食べてますか?加工品でなく、その食材そのものを調理してそのものの味と香りを楽しむのが楽しいですよ。加工品は手軽で、時に割安な時もありますが、いろんなものが添加されていて、健康への影響も
さることながら、本来の食材の味がわかりません。そろそろ、秋刀魚が安くなりますかね・・・