逃がした魚は? 

 7号のハリスがスパッと切れた。

どうだろう、7~8割はヒラメだと思っている。

バトルは短く、あたりが出てから10秒ほどだろうか。

あっという間に、ノックアウトされてしまった。



 カゴ釣りは相変わらずあたりが遠い。

おじちゃんは何度も竿置いてあきらめている。

月は満月に近く、空には時々うっすらと雲が出る。

が、月明かりはほとんど変わらない。


15分ほどおしゃべりをしては、仕掛けを入れてアジの回遊を確認する。

そんな時間が続いたある時・・・

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ド~ン 

 泳がせを潮上に投げ返す。

泳がせの仕掛けに時間をかけすぎたのか、カゴ釣りの道糸がおじちゃんとお祭りしてしまった。

”すいません” とほつれをほどきに行ったその瞬間!!!


ドーン・・ あああっ ・・・・

大波で、釣り具が流れる・・・!!!?!!

今回初めて使うクーラー。

本体だけで5.8kgもあるので、保冷剤などを入れると10kg近い。

そんなクーラー他、ほとんどの釣り具が海に流れた!!。

一瞬頭が真っ白だが、さすがに本磯ではない。

一日に一度レベルのドカ波

遠くには流れていない。


すぐにタモを使って回収に走る。

浮いてくれるロッドはすぐに手が届いた。

泳がせ用、カゴ釣り用で2本。

真新しいクーラーボックスはカケ太郎とクーラー受三郎を付けている。
(それにしても第一精工のネーミングは関西っぽくて愛嬌がある)

コマセ用、血抜き用に水くみ用の3つの釣りバケツ餌箱フィッシュグリップに血抜きばさみ・・・

釣り具を入れておいたバッカンとロッドケース以外は全部流された。


どれを最初に? どれが高い

頭はぐるぐる回るが、ゆらゆらと漂う釣り具をしばし見ていると、そのうち我に返る。


・・・

凪に近い潮なので、しばらくすると岸壁に釣り具は寄ってくる。

ゴミが岸壁の隅に集まるのと同じだ。

ロッド2本、釣りバケツ、そしてクーラーボックスまで何とか回収。

大どころは戻ってきた。

そこからは、こまごまとしたものを粘り強く回収。

DSC_1821

最後にウキ用の100均ボックスまで回収出来た。



自作のウキが5本入っていた。

値段よりも、また作るのが面倒だ・・・ と思っていたところ、ラッキーだ。


渋い状況でも釣り上げた10匹程度のアジは流された。

血抜きバケツに浸けておいた、それもろとも流された。

かろうじてバケツに残っていた1匹と海面を浮いていた1匹、計2匹が手元に残った。



最終的に失ったものは3つだけ。

コマセをカゴに詰めるスプン、アジを生かすためのポンプ。

そして、たも網が壊れた。

DSC_1820



折りたたみ式の45cmの網枠が1か所折れてしまった。

親父のおさがりだが、さすがに経年劣化だろう。

こいつが他の道具を救って(掬って)くれた。


しばし茫然・・・


それにしても運がいい。

とにかく、新品のクーラーボックスが助かってよかった。



これほど道具が回収できた理由はいくつかある。

まずは、たも網がスタンバイ状態。

折りたたんだ状態ではなく、すぐに使える状態だったので、すかさず釣り具を救えた。


2つ目はクーラーボックスもウキボックスもすべて蓋を閉じていたこと。

中に空気があるので、海面を浮いてくれた。

もしも蓋を開けていたら、一瞬で海中の中へ。


そしてフィッシュグリップなどを釣りバケツにカラビナで固定していたこと。

ウキバケツは必ず浮くが、フィッシュグリップなどの小物は沈んでしまう。

ウキバケツのひもにカラビナでぶら下げておいたのでバケツと一緒に救出できた。


これは今後の教訓にせんといかん。

なんせ、クーラーボックスもろともほとんどを失ってしまうところじゃった。


第二ラウンド 


 さて、・・・

頭をリセットせんといかん。

夜釣りパワー白で作ったオキアミコマセが全部やられた。

クーラーの中に1/3ほど釣り餌用のオキアミは残っていたが、コマセが無くて釣れるほど甘くない。


とりあえず、車に戻ってトランクをあさる。

常温保存できるアミコマセと残った夜釣りパワー白を混ぜて何とかコマセを作る。


なんというか・・・ 助かった泳がせロッドには生きアジがまだついている。

もちろん、そのまま投入して次のあたりを待つ。

・・・・


DSC_1815

西の空に居座る月が恨めしい。

結局、ほぼ一晩中照り続けたおかげであたりはほとんどない。

おじちゃんは何度も仕掛けの投入を休憩し、しまいには仮眠へ。


心折れて納竿も考えたが、こんな時こそ何とか1本上げたいもんだ。

負けんぞ!!!


 とはいえ、東の空は白み始めたが結局アジは上がらず。

ここからは朝からのシマアジと泳がせの大物狙いへ。


仮眠から明けたおじちゃんもカゴ釣りを開始。

だが、30分も経たずに仕掛けを変更。

2本針のカゴ釣りから、遠投用のカゴ釣りで沖を狙い始めた。

付けエサをカゴの中に入れて遠投を繰り返すがあたりはないようだ。


こちらはシマアジに淡い期待をしつつ、本命は泳がせだ。


潮がそこそこ流れていて、仕掛けが流れるので、潮上へ投入しなおすこと数度。

ウキがしもり始めた。

ぐぐっと緩やかにウキが海中に潜る。

海面に戻ることなく、緑のウキが揺らめく。

まだLEDライトが付いているが、ライトが見えなくなり始めて合わせを入れる。



ぐん、ぐんといい引きだ。

真下へ引くあたりはウツボかヒラメ。

それほど強すぎずに、海底から引き離して、丁寧にリールを巻く。

慎重に引き上げて、この1本は何とかとりたい。

となりのおじちゃも竿を持つ手を止めて注目し始めた。


順調に上がり始めた。

テンションを強くしすぎず、ウキが海面にあがってきた。


序盤から中盤の攻防に入ると大きな引きはなくなり始める。

ズンと重いこの手ごたえは間違いなくヒラメ!!!


ウキが海中から抜けて50cm。

ハリスは2mほどなので、もうそろそろ魚影が見えてくるはず。

さあ、ヒラメか!?


竿を握る手も、ヒラメを確信した、その時!!

ぶち、っ・・・ しーーん・・・


あああ・・・・

2枚目のばらし・・・・

あ、ああっ・・・・




2枚目のば・ら・し

ハリスを確認するとまたまた孫針・親針ともにスパッと切れている。

海面すれすれまで抵抗なく上がってきて、7号ハリスを切るあのあたりは・・・

ヒラメだろうか・・・。

とにかく、顔を拝んと相手が何なのかがわからん。

何がいかんのか・・・・



・・・


最期の気力を振り絞って、クーラーボックスに入れておいた最後のアジを取り出す。

泳がせの仕掛けを汲みなおし、あきらめんぞ。


ちなみに、泳がせの仕掛けはサルカンにハリスを直接結んでいたが、それでは手返しが悪い。

大きめのスナップサルカンをハリスに付けて、サルカンと結合する方法にすると手返しがすごく早い。


もともとヒラメはそこまで警戒心は強くない。

針からサルカンまでは2mほどあるので、底をスナップサルカンでつないでも警戒しない。


真横で見ていたおじちゃんがもそもそしている。

こちらの武勇に惹かれ、泳がせを始めるそうだ

半信半疑だったようだが、バトルを目の当たりにしてから決心がついたようだ。


おじちゃんは目の前1竿も無いところにアジを投入。

釣り談義を再開したところ、1分も経たない間におじちゃんのうきがしもり始めた。


にぶく、緩やかにウキが下がり始めた。

おじちゃんはよくわかっていないが、これは明らかにヒラメのしもり。

目の前で起きていることにまだ半信半疑のようだが、本あたりを見てから合わせをゆっくり入れた。


なんとも弱弱しい合わせ!!

ヒラメはゆっくり大きめのあわせで針がけが必要だと・・・

まあいい、歴戦の勇者に失礼だ。

目の前数mのあたりなので、一度のポンピングでウキが海面まで上がってくる。

ゆっくり、でもあまり時間をかけずに上げるように諭す。


合わせが弱いので、海面近くでバタつけばすぐに針が外れる

それならば、ある程度早めに引き上げてタモ入れする方が確率は高い

朝の風で海面は少し波立っていたが、ほどなく上がってきたのは・・・・


やはり、ヒラメだった。

お隣で実況しながら上がってきたヒラメ。

横を見ると、こちらのウキにあたりはない。

おじちゃんのタモを手に取り一掬いで難なくランディング完了。


おじちゃんの顔を覗くといまだに信じられない模様だ。

こっちからすると、2本ばらしでお隣さんにはヒラメ・・・

サイズは40cm前後で小さいが、うれしそうだ。



やはり今年はヒラメの期待が高い。

うれしい限りだ。

まだウツボが掛からないのもいい。

泳がせでかかるのはウツボが多い。

サメの引きはそれなりに楽しいが、ウツボは針掛かりが良く、外れず大抵ランディングとなる。

相手は蛇なので、針を外そうにもいろいろ巻き付いてくる・・・

面倒だ、それがウツボだ。


負けてはおられん、こっちも1枚ぐらいあげたい。

と思い、湾内から沖に掛けて投げた仕掛けが、なんとしもり始めた・・・


絵に描いたようにウキがしもる。

普通、泳がせはこんなにあたりはない。

ウキの動きを見ていると、前あたりからほどなく本あたりへ。


足場からある程度離れているので、根掛かりはないだろう。

一呼吸おいて合わせを入れると・・・・


のった!!

嘘のように針掛かりした。

3度しもって、3度とものってきた。



まずは海底から引き離さないといけない。

ひらめは初動が一番重く、早く引き上げないと根掛かりする。

一方で最初が一番抵抗が大きいので、しっかり針掛かりしていないと針が外れるか、鋭い歯でハリスが切れる。


リールをまいて、竿を倒し、竿先を1mほど上げると、大きな抵抗がある。

ぐんぐん、海底に力強く引きずり込む。


これに負けると、根にハリスがこすれてしま・・ 




ブチっ!!


ナント!!

またか!!!

あ・・ああs・っでl!!

アカン、今日はダメだ。

下手すぎる・・・・!!


仕掛けを回収してハリスを確認すると捨て糸のおもりともども針もなくなっている。

間違いなくヒラメだろう・・・・


今日は3本ともに親針からなくなった。

ハリスに根ずれした形跡はなく、スパッと切れている。

ヒラメのサイズが多いいのだろうか。


こちらは、心折れてこれで納竿だ。

そもそもアジがもうない。



おじちゃんと釣り談義を続けながら釣り具のかたずけに入ると、おじちゃんのウキが下がる。

おじちゃんの顔が少年の様に興奮している。

これほどあたりが連発するのが信じられないんだろう。

ああ、こっちだってこれ程の連発は信じられん。


ただ、驚いとる暇はないぞ。

こっちの右手は片付け中のロッドからタモを既に握り変えた。

本あたりはほどなく来たので、合わせを入れた。



しっかりのったようで、海底から引きはがし始める。

最初のポンピングが終わり、リールを巻く。



早すぎはいかんぞ、いいぞ!!!

リールを巻いて竿先が海面まで下がる。

2度目のリールを巻いた、その時!!

ブチっ!!!


ああっ・・・

おじちゃんとおっさん(私)のため息が漏れる。


やはりハリスがぶっちり切れていた。

あの引きも間違いなくヒラメだろう。

あれがウツボなら、1回目のポンピングがもっと引いているだろう。


興奮冷めやらぬ中、おじちゃんは仕掛けを投入。

完敗のこちらは仕掛けの片付けが完了。

キャリアにクーラーをのせていたところ、なんとまたウキがしもり始める・・・

おじちゃんの顔はもう本気だ。


日の出直後の半信半疑の表情とはまったく違い、やる気に満ち溢れている。

ただ、今度は本あたりに力が無い。

ウキはかなりしもるが、あと一歩のところで海面に挙がってくる。


その後また下がっていくが、また上がってくる。

それを繰り返すこと3分ほど経っただろうか。

今までのしもり方とは違うウキの動き・・・・


い、いかん・・・ これは・・・・

根掛かりだぞ。

ウキが左右に動かなくなり、波の動きに合わせて海面から出たり入ったり。


「根掛かりですかね・・・」

おじちゃんも気付いたようだ。

こうなると、合わせを入れてあげるしかない。

いつもの様に!? 弱弱しく合わせを入れて竿を上げると・・・

ぐぐ、がつ、ぷつん!!


最初はまだ魚が掛かっていたようだが、その後根に擦れて切れた様だ。





長い一日だった。

持ち帰る収穫はない。

10匹は釣っただろうアジはながされ、残った2匹のアジもすべて針ごとヒラメに食われた。

DSC_1816

すまんのう、今日はお土産が無いんじゃ。

また次回待っとてくれんかのう。


今日の収穫。

DSC_1818

復路で行きつけの魚屋に立ち寄った。

アオリにやりイカ、ヒラマサ、ドンコ、アワビと沢山買ったが全部入った。

目的の一つは果たしたぞ!!
(本来は、自分の釣果に加え・・・だが)


きょうはいい経験が出来た。

うまく上げれば、一日に複数のヒラメが上がるぞ。

そのためには・・・・


ハリス7号ではイカン。

釣り具屋に行くぞ!!!

何号にするか?


一気に10号にしようか・・!?!

悩むのう、

どうしようかのう、


・・・・

いかん、エアポンプとたも網も買いなおさんといかん。

今年の冬は出費が多いぞ・・・


 

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